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アクア⚪︎⚪︎豊胸ダメです

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うーん。
あまりこれダメとかブログに書きたくないのですが
これは書いておいたほうが良いのかな。
という出来事があり書いておこうかなと、重い腰をあげました。

アクアなになに。とかいてある注入型の豊胸が流行ったのがかなり前ですが、もう10年前後になりますかね。
アクアミドを使用した豊胸自体が疑問視され、形成外科学会から早期に注意喚起が行われていたので、もちろん私自体が手を出したことはありません。
アクアミドは発癌性が報告されておりますのでもちろん注意喚起がなくてもやりません。

ただ、柔らかい。もちが良い。生食で気軽に溶ける。などの広告でヒアルロン酸よりも良いと公告されていたため、行われた方が結構いらっしゃる様子。
当院ではトラブルを抱えた方が、ちらほらこられるので救済を行なっていました。

もう、大丈夫だろうと思っていたら先日「他院でアクアミド豊胸してきました〜」という方がいて。
え!?と耳を疑いました。
まだやっていたのか!?
絶対ダメなやつなのに。

それでも、ブログで書くということはしていなかったのですが・・・
行うのはあくまでも自由意思だし。
本人はそんなに気にしていない方もいる。
あえて怖がらせる投稿はしたくない。
しかも、全員が悲惨な結果になるわけでもないし。。

ただ、、
先日胸のアクアミドが腹部を通過して会陰部にまで広がっているという方がいましたので、これはもう書いとかないと。と思った次第です。

アクアミド自体は、極論的にはっきりいうと、
生食では溶けません。
入れた後はとりもちのようなべたーっとした質感です。
(入れる時は、扱ったことがないのでわかりませんが。)
入れた後のトラブルを見ているので、入れた後の状態ですね。
吸引できないほどべたーってしているので、気軽に取ってと言われても取れません。

その後、周囲の組織に浸潤します。
そして、その組織を溶かしながら自分自身が溶けていく(分解される)という状態です。
なので、どの組織に浸潤するかで影響が大きく変わってきます。

周囲の乳腺や、脂肪を溶かした程度であれば良いのですが、
乳房下溝組織や腹直筋筋膜に浸潤するとどんどんその周囲を溶かして重力にしたがって下に下がります。
最終到着地点が会陰なわけですが。
人によっては鼠径部靭帯を溶かして太ももまで下がる方もいます。

大きな流れで言うと、徐々に溶ける(はず)ので違和感や圧迫感がなければ自然経過を見守ることも可能ですが。
周囲の組織を溶かして浸潤するので、実際に入れた量よりも沢山の貯留物が溜まっているように感じます。
そのため、心理的ストレスがすごいです。

また、感染を起こすとさらに最悪です。
いろいろな部位から膿を排出するため、液状異物の感染は本当に完治が大変です。
いろいろな病院を渡り歩いて治せなくてボロボロになって当院に辿り着く方もいます。
もちろん大きな病院から紹介されてくる方もいますが、その時点ではかなり精神的に疲労しています。

膿なのか、脂肪が溶けた状態なのか一般的には見分けがつきづらく、なおかつアリの巣のようにいろいろな部位を溶かしながら浸潤しているため、根治をするためには徹底的に注入された物を除去する必要があります。
また、注入テクニックの問題なのか、乳腺下だけではなく筋肉内、大胸筋下、肋間筋内にまで注入されている方がいます。
レイヤーが乱れている場合は、乳腺下のみ除去しても残存してしまうため除去にテクニックが必要となります。

こんな感じでドローっとしています。
元々は無色透明です。
画像が怖いので、一つだけ小さいのを入れておきます。

一度の手術では根治困難なことも多いです
何回かにわけて行うことが必要な方もいます。
綺麗に、徹底的に取り除きます。
ゴール的にはもちろんみんな治っていますが、大変な人は大変です。
豊胸手術や乳房再建、乳腺除去ができる医師ではなければ対応は困難です。
内部の解剖がわからないと取りきれません。
なので注入治療のみ行なっている医師では対応できずに、いろいろな医師のもとを巡っている方が多いのだと思います。

もちろん乳腺周囲のみを溶かしただけで、本人は全く気にしていなくて
アクアミドを取り除いてインプラントバックをいれてくだーい。
など、明るく簡単に言ってくる人もいますが。。。

何例かやりましたが、意外と何も起こらない人は起こらない・・・
でもアクアミドは完全に取り除くことがかなり難しいです。

なので、人それぞれいろいろあるのが美容治療なので

これが絶対ダメとか、非難するようなことは決してないですよ。

ただ、一般の病院に行って対応困難な状況になっている方をみるので。。。

ちゃんと自分で行う治療は、きっちり考えて行なってくださいね。