豊胸インプラント自体は、昔からずっと使用されており
色々なメーカーのものがあります。
20年以上前に入れた人たちは、ほとんどの人が
定期経過観察も受けておらず。。。
何がどこに入っているか。。。
サイズも、どのメーカーのものかもわからない。
施術してくれた医師もいないどころか、そのクリニックもない。
と言う方が多いです。
というか詳細はわからないのが普通と言いますか。
医師に、お任せください。
と言う時代だったのでしょう。
ジェルなのか、生食なのかだけでもわかるとありがたいですが、超音波をかけるとある程度わかるので
わからないと言って、そんなに心配はしないでくださいね。
さて、ジェルインプラントが破損し、長期間放置した場合は、周囲の組織と癒着し、異物性肉芽腫を形成するので、硬いボールみたいに触れます。
しこりとして一般乳腺外科を受診される方が多いです。
その際に、対応できないと断られる方もいれば、手術リスクを聞いて諦める方。など色々いらっしゃるのかと思います。
比較的福井県内であれば当院に紹介されて来られる方が多い印象です。
諦めるより先にまずは相談に来てね。
一般的に生食インプラントは破損してもそんなに悪さはしないのですが。
時々露出などのリスクで来院される方もいます。
破損して平たく横たわっている場合は、ほぼ無害です。
ただ、長期間身体の動きやカプセルの拘縮などで先が尖ってくると。
最悪、胸を突き破って出てきます。
その時も、インプラントが原因とは思わないので、乳癌を心配して一般乳腺外科に行かれる方が多いと思います。
対応してくれるところと、してくれないところがあるかもです。
通常はインプラントが原因の場合は、一般乳腺外科では対応は難しいです。
通常はインプラント専門医の元を訪れていただいた方が、傷跡も小さく済みます。
インプラント露出の症例写真です。
20年以上前に生食インプラントを入れて放置。
マンモを受けてはいけないという説明がなかったため、検診で普通にしていたとのこと。
生食バックは絶対ダメです。
比較的早期に破損していたかも。
一般乳腺外科受診後、当院に来院です。
一見何かわからないと思いますが、インプラントの長期的な圧迫による炎症で不良肉芽が形成されています。
この時点で実はすでに露出しています。
手術日までの間、感染対策を行い、乳癌チェック検査も行います。
手術日当日ですね。
感染対策により、不良肉芽は収縮して傷も小さくなっていますね。
この部位よりインプラントを抜去し、中を掃除します。
傷はこの部位から行いますので、他に傷をつけることもありませんよ。
対側のインプラントは乳房下溝から3cm程切開し、抜去です。
抜去後のインプラントですが、
このように折れ曲がってカチカチになっているので、筋肉の下にありましたが、突き抜けて出てきたようです。
長年の鋭利な圧迫によるものですね。
その後は特に痛みなく経過され
三週間後のチェックには無事創部も気にならず。
卒業されました。
露出部の傷跡です。
もうあと数ヶ月するとほとんどわからなくなると思います。
最小の傷跡で、腕が上がらなくなるとか、日常生活や仕事をできなくなる。
などもないので、不安で放置している方は一度ご相談に来てくださいね。
気になる異物が身体からなくなるだけでも、気分が明るく軽くなります。
悪化してから来られるよりも、何事もリスクに対する知恵を持って早期対応すればそんなに怖いことはないです。
同じように悩まれている方は、意外と多いです。
1人で悩まず相談にご来院を。
あくまでも破損を長期間放置した場合のリスク例です。
最近のインプラントは優秀ですので、きちんと定期経過観察を受けて、破損していたとしても早期対応すれば問題ありません。
最近は生食バックを使用することもほとんどないのでは?
シリコンも昔のはジェルですが、今のものはゲルなので破損しても大きな問題はありません。
破損対策でインプラント被膜も重層構造になっています。
ただ、20−30年前のインプラントを入れてメンテナンスされていない方は、要注意です。
困ったことがあればご相談くださいね。