「笑気麻酔お願いしたいです」
結構このフレーズを聞くことがあります
笑気麻酔。笑気ガス。
美容外科分野では当たり前のように使用されていますが、
麻酔科学会、つまり麻酔科専門医の世界では笑気ガスはもう使用しない方向で動いているようです。
当院全身麻酔手術については、麻酔科専門医の先生が担当しています。
安全性が第一なので。
美容外科の世界では、笑気ガスを気軽に使用しているということを聞いてびっくりしていました。
呼吸抑制や、呼吸停止などのリスクがあるので、専門医以外が使用するのは本当にやめた方が良い。
とお話しされていました。
だいたい、若い方が使用されると思うので、そんなに問題は生じていないのかもしれませんね。
大きな手術ではないことも一つなのかな。
うちでは単独使用をしたことはないのですが。
笑気ガスは、眠くなる作用もありますが鎮痛作用もあるので気軽に使用されています。
最近では鎮痛作用はしっかりと注射で行って、ガスはなるべく無害な形で行うのが主流となっています。
当院の麻酔器も笑気ガスとセボフルレンを混合させて使用するものを利用していました。
なので、私にとっても笑気ガスは当たり前のものだと思っていました。
ところが、最近の麻酔機器は笑気ガスを使用せずに特殊なAir Compressorを用いて、空気中の空気を圧縮して笑気ガスの代わりに使用するものにシフトしていました。
つまり完全無害な物になっていたのでした。
知らなかった。
笑気ガスをやめると、術後の吐き気などかなり軽減しますよ。(空気は細胞毒性ないので)
と麻酔科の先生からはお墨付きをもらっていたのですが、
なかなか今使える麻酔機を新しく変えるということには踏み込めなかったのですが。。。
やっぱり手術が終わった後の、患者さんのふらつきや吐き気が一番のネックになっています。
痛みよりも吐き気の方が辛いと言う方が多く、、
見ている方もつらくなります。
笑気ガスの吐き気については大丈夫な人と、ひどい人の差が激しく
吐き気止めを使っても、動くと気分が悪くなる。
と言うあれです。
もうここは、麻酔科の先生を信じて最新型を買おう。
と決心し、購入しました。
もちろんエアコンプレッサーも。
初めは半信半疑だったんですが
患者さんの術後の反応が
まっったく違います。
私もここまでかわる。とは思わなかったのでびっくりしました。
吐き気がないって本人にとっても、周りの医療従事者にとってもとても素晴らしいことですね。
手術終了の安心感と共に、笑顔で帰ってくれると本当に良かったと思います。
いやぁ
笑気ガス使用するしないで、こんなに結果が異なるとは。
医学の進歩に万歳でした。