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肥厚性瘢痕、ケロイド治療とは?

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形成外科医は傷の専門家なわけですが、実際色々な傷があります。
傷の場所、深さ、程度によって治療方法を色々変える必要があります。

今回は、肥厚性瘢痕・ケロイドと言われている傷がどんな感じで治癒していくのかをご紹介します。
写真の提供は、「少しでも困っている人の助けになればと思うので使ってもらって大丈夫ですよ。」と言っていただけました。
本当にありがとうございます。
実際、改善するということを知らずに長年苦しんでいる方もいるようです。
少しでも参考になれば幸いです。

傷はいろいろな状況で発生します。
生まれついての先天性疾患による手術跡、怪我や事故、病気など多岐にわたります。
残念ながら完全に傷を消すような魔法の治療はありません。
いかに目立ちにくく周りと馴染ませ、かゆみや痛みなどの症状を取り除いてあげるということが治療目標となります。

生まれもった疾患に対する手術などでついた傷については、傷を愛してくれるように気持ちを持っていくことが形成外科のお仕事の一つだと思っています。
その傷は、その子達が立派に育つよう、両親や医師その他多くの思いが詰まった傷なのです。
沢山の想いが詰まった傷を、受け入れて誇りに思ってもらえるようサポートしたいと思っています。
もちろん簡単にはいかないかもしれません。
でも、一緒に頑張りましょうね。

実際、肥厚性瘢痕やケロイドは、痒みや痛み、突っ張った感じ(拘縮感)が強く日常生活で非常に不愉快な思いをされている方が多いです。

この場合、再手術をしても再発するリスクが非常に高いためステロイド局所治療を開始します。
場所によっては少しでも創部にかかる緊張を緩和するため、女性であればブラジャーをしたり皮膚の伸展を予防します。
治療は最初のうちは月に一度必要です。
その後2、3ヶ月に一度などと診察期間が延長されます。
その後症状のぶり返しがなければ終了です。
早い人であればほんの数回の治療で症状が軽減します。
もちろん人によっては回数が必要な方もいらっしゃいます。
体質的なものもあるので一概には言えないのが現状です。

その後傷の経過としてはこのように白色瘢痕化します。
この写真は経過2年目のものです。
かゆみや痛み、突っ張った感じなどの症状もこの時点ではありません。
肥厚性瘢痕の場合は、治療を終了しても再発することはあまりないため、一旦治療を終了し、通常の日常生活で大丈夫です。

この白色の傷をもっと馴染ませるには、ニードリングなどの治療を受けられる方もいます。
もちろん、この時点で傷を受け入れている方はそれ以上の治療を望まれないことも多いです。
皆様とっても芯が強くて立派です。

傷と上手に付き合うことを応援します。
症状が強く辛い方は一度カウンセリングにご来院を