前回埋没の縫合方法自体も改善し、決してほどけない縫合に変更したことをお話ししました。
さて、では取れない埋没をするためにはあとは何を改善するかなのですが
やはり糸ですよね。
通常の糸はナイロンです。
だいたい7−0を使用するのですが、もちろん6−0など糸を太くすれば切れにくくはなりますが、太くすると皮膚が薄い方は表面から糸玉がぽこっと透けて見えるなどのリスクがあります。
また、糸による違和感も出る可能性があります。
そう考えると糸の質を変えることが重要かと。
7−0という同じ企画の糸で質感を変えるとなると
現在一番質が良いものとしてはアスフレックス(ASFLEX)という糸があります
ポリビニリデンフルオライド縫合糸です。
下制術や眼瞼挙筋短縮術などにも使用している強度が非常に強い糸です。
これで埋没をすれば切れることはほとんどないと考えているのですが。
(世の中絶対はないけど。。。)

見た目の細さは一緒ですが、ナイロンと比べると質感や強度が触るだけでも全く違います。
実際にこれで埋没をしてとれた。と来院してきた人は今のところいらっしゃいません。
どの糸を使用するかは最終的には本人と相談しています。
現在ほとんどのクリニックでは、ナイロンだと思うのですが。
ナイロンの糸で過去に埋没を受けた人の全切開などを行うとわかるのですが、経年劣化した糸は、糸自体はなくなってはいないのですが色も透明化し、ほとんどなよなよになっていて周囲の瘢痕と一体化しほぼ無害化している印象です。
おそらく、強度の強い糸(ASFLEX)はナイロンほどナヨナヨに劣化しない可能性が高いです。
なので、目の中に糸(異物)が残るのが嫌。あまり存在感のある糸は嫌。という方は、優しいナイロンで止める方が良いでしょう。
ナイロンでも数年で取れてしまう方はほとんどいないため全く問題はないと思います。
ただ、稀に取れやすい方がいらっしゃるのでその場合はASFLEXがオススメです。
初めから取れにくいもので止めたい方も対応は可能です。
当院は糸の種類によって料金を追加するなどは行なっていません。
また、糸を増やせば取れにくいのか?
脂肪をとった方が取れにくいのか?
については、確かに取れにくくはなりますが、糸自体の強度を上げれば問題ないと考えています。
逆に、どのラインを描きたいのかによって糸の数が必要となります。。
脂肪はよっぽどの方のみですね。
脂肪をとらなければ糸が食い込まない方は、埋没挙筋法ではほとんどいないです。
糸を増やしたり、脂肪を取らなければラインが入らない方はいない印象ですが。
よっぽどの場合は、勇気を出して全切開をするのも一つです。
本人の組織の弱さ耐久性は個人によって異なるので、それは技術力でカバーですね。
それぞれ個人によって強度、皮膚の緊張、組織の強さが違うので、それを調整し縫合していきます。
いろいろと奥が深いので、質問がある方はいつでもご相談ください。