最近患者様より
「テレビでやってたけどどうなの??」
という質問が増えています。
最近美容特集が流行っているのかな?
院長テレビほとんど見ないので、どんな情報が飛び交っているのかちょっとわかりかねますが、
いつも皆様から「こんなんやってた」って教えてもらってます。
ん?という内容も時々ありますが・・・
その中でも、おそらく皆様が混乱しているだろう「幹細胞」について今回簡単にお話しようかなと思いますよ。
「テレビで〇〇さんが、顔に幹細胞をうってたよ。点滴もなんかしてた。
ここではできないんですか?」
という質問を受けました。
基本的に、iPS細胞が発表された際に、ES細胞や、幹細胞などの情報がメディアを含め皆様に浸透したと思うのですが、単刀直入に言うと、現時点では「幹細胞治療」についてはまだ治療が確立されていません。
現在発売されている、幹細胞化粧品は、実際に幹細胞が入っているのではなく、幹細胞の上澄み液が入っています。
上澄み液って??となると思いますが。
通常、細胞を培養する際にシャーレ(培養するためのお皿みたいなもの)に細胞を撒くのですが、細胞のご飯は特殊な液体なんですね。
その細胞のご飯である液体に浸しておくと、細胞が増殖(数が増えていく)していきます。
その液体は、通常数日に一度交換します。
細胞がご飯を食べるので、栄養素が抜けますよね?なのでそれを一旦捨てて、新しい液を入れる作業をします。
その細胞が食べた後の液体が上澄み液です。
つまり、細胞が増殖する過程で、いろいろなサイトカイン、成長因子を分泌しているのでそれを使おうというのが今ある「幹細胞化粧品」です。
なので、実際細胞が入っているわけではないので危険性はないよ。と言われおり、「再生医療認定にも登録する必要はなく (国の規定なし)、企業が自由に作っています。」
一方、幹細胞そのものを使った治療はまだ確立されていません。
海外では、他人の胎盤からの幹細胞移植トライアルが行われましたが副作用も報告されており、事実上フリーズ状態です。
日本でも一部の施設で開始されていますが、安全性や長期経過などまだ不明点も多い為、今後どうなるか見守る必要があるかと思います。
また、誤解されやすいのが 「脂肪肝細胞移植」
これは自分の脂肪細胞の中にある幹細胞を残した状態で脂肪移植を行います。
昔は、脂肪吸引をした後、洗浄処置を行って脂肪滴を注入したりしていたのですが、最近では幹細胞を温存した状態で移植した方が生着が良いということがわかり、行われています。
他人のものでもなく、増殖・活性処置を行っているわけではないので安全性ももちろん大丈夫です。
当院では、遠心分離器にて作成していますが、現在自動で作ってくれるキットも発売されています。
自分で分離できるので、大学院行っててよかったわぁ。と実感する今日この頃です。
(そういうことを言うと、怒られちゃいますが。。)
そもそも、幹細胞って何?ってなってます?
幹細胞とは、細胞が分化する上でのもととなる細胞ですが。。。
例えば・・・骨髄や、脂肪、皮膚、毛根などに存在しています。
常に細胞は死んでいますが、幹細胞があるために新しく生まれてきてくれます。
ちょっと難しかったでしょうか。
もし分かりにくかったら直接聞いてくださいね。
細胞を増殖・活性化させる手助けが再生医療です。
現在PRPは国が認定しているため再生医療法で規制されています。
それ以外は今の所特に規定はないので、それぞれの施設での対応となります。
迷ったり、不明点があれば主治医に聞くのが一番ですよ。